杖を使い始めたのに、なぜか歩きにくい、思ったほど支えにならない…。
こう感じる方は意外と多いです。杖は福祉用具の中でも最も基本的なサポートアイテムですが、正しい使い方や選び方を知らないと、かえって歩きにくさや疲労感を増してしまうことがあります。
今回は、杖を使う際によくある失敗や勘違い、そして改善策をまとめました。これを読めば、杖をより安全に、スムーズに使うためのポイントがわかります。
杖が歩きにくく感じる主な理由
杖を使い始めて歩きにくくなる理由は、大きく分けて次の3つです。
- 高さや角度が合っていない:体格や腕の長さに合わせずに使用している
- 使い方の順序が間違っている:杖の出し方、足の出し方の順序が体に合っていない
- 杖に頼りすぎてしまう:体重をかけすぎたり、杖を突きすぎてバランスを崩す
どれも初心者や介護が始まったばかりの家族がよく陥る失敗です。ちょっとした工夫で歩きやすさは大きく変わります。
高さや角度が合わない場合の改善策
杖の高さが高すぎると、腕や肩に余計な力が入って疲れやすくなります。逆に低すぎると前かがみになり、背中や腰に負担がかかります。
目安として、立った状態で杖のグリップを握ったとき、肘が軽く曲がる角度(およそ15〜20度)が理想です。
もし高さが合わない場合は、調整式の杖を使うか、販売店で再調整してもらいましょう。
また、杖の先端(ゴム先)が床にしっかりついているかも大事です。ゴムがすり減っていたり滑りやすい場合、体重をかけると不安定になり、歩きにくく感じます。
杖の出し方と歩く順序の勘違い
杖は「支え」ですが、使い方を間違えると歩きにくくなります。よくある間違いは、
- 杖を出すタイミングが遅い
- 杖を体の外側に置きすぎる
- 杖の方向がまっすぐでない
正しい基本は、**杖は弱い側の足と同時に出す**ことです。
例えば右足に不安がある場合、右手に杖を持って、右足と杖を同時に出します。こうすることで、体重が杖にしっかり分散され、自然に歩けます。
間違いやすいのは「杖を先に出してから歩く」や「杖を強く突きすぎる」ケースです。体重のかけ方が不自然になり、転倒や疲労の原因になります。
杖に頼りすぎてバランスを崩す場合
杖はサポート道具ですが、全ての体重を預けてしまうと逆に歩きにくくなります。
特に立ち上がりや段差の移動で、杖に頼りすぎると前傾姿勢が強くなりバランスを崩しやすくなります。
ポイントは次の通りです:
- 杖は体重を支える補助と考える
- 足の踏み出しと体重移動のタイミングを合わせる
- 歩幅は無理に広げず、自然な範囲で動かす
最初は短い距離から練習すると、体が杖の使い方に慣れ、スムーズに歩けるようになります。
実際に役立つ小さな工夫
初心者や家族がすぐ実践できる工夫をまとめます。
- 杖を握る手に力を入れすぎない
- 段差やカーペットなどの障害物は事前に確認
- 立ち上がるときや方向転換の前に杖の位置を確認
- 慣れるまでは家族が後ろや横でサポート
- 歩きやすさに問題があれば、杖の長さやゴム先を調整
これらの工夫だけでも、歩きやすさや安心感は大きく変わります。
まとめ|杖は使い方次第で安心に変わる
杖を使い始めたのに歩きにくいと感じるのは、決して珍しいことではありません。
高さや角度、使う順序、体重のかけ方など、小さな勘違いや失敗が原因です。
ポイントは杖の役割を補助と考え、体の動きに合わせて使うこと。短い距離から練習し、使いやすさを微調整することで、歩行の安定性と自信はぐっと高まります。
杖はただ置いておくだけではなく、正しい使い方と環境調整があって初めて転倒予防に役立つ福祉用具です。今日から少しずつ試して、安心して歩ける毎日を目指しましょう。


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