特定福祉用具購入とは?介護保険で「購入」できる制度
介護保険では、福祉用具を利用する方法として
「レンタル(福祉用具貸与)」と「購入」があります。
このうち、購入が認められている制度が
「特定福祉用具購入」です。
特定福祉用具購入とは、
他の利用者と共用することが適さない福祉用具について、
介護保険を使って購入費の支給を受けられる制度です。
なぜ「購入」なの?レンタルとの違い
介護保険では、原則として福祉用具はレンタルが基本です。
しかし、すべての福祉用具がレンタルに向いているわけではありません。
例えば、
- 直接肌に触れるもの
- 衛生面で使い回しが難しいもの
- 個人の身体状況に強く影響されるもの
こうした福祉用具は、レンタルではなく
「購入」という形での支給が適していると考えられています。
そのため、介護保険制度の中で
「特定福祉用具」として購入が認められているのです。
特定福祉用具購入の対象となる人
特定福祉用具購入を利用できるのは、
介護保険の認定を受けている方です。
- 要支援1・要支援2
- 要介護1〜要介護5
いずれかの認定を受けていれば、制度を利用することができます。
ただし、在宅で生活していることが前提条件となります。
施設に入所している場合や、長期入院中の場合は、
原則として特定福祉用具購入の対象外となります。
支給される金額と自己負担の仕組み
特定福祉用具購入では、
年間10万円までの購入費が支給対象となります。
この「年間」とは、
4月1日から翌年3月31日までの介護保険年度を指します。
実際に戻ってくる金額は、
介護保険の自己負担割合によって異なります。
- 1割負担:購入額の9割が支給
- 2割負担:購入額の8割が支給
- 3割負担:購入額の7割が支給
例えば、1割負担の方が5万円の福祉用具を購入した場合、
自己負担は5,000円となり、残りは介護保険から支給されます。
購入方法は「償還払い」が基本
特定福祉用具購入では、
一度、全額を自己負担で支払う
「償還払い」が基本となります。
購入後に市区町村へ申請を行い、
支給対象となる金額が後日振り込まれる仕組みです。
自治体によっては、
自己負担分のみを支払う
「受領委任払い」に対応している場合もありますが、
事前の確認が必要です。
特定福祉用具購入の対象となる福祉用具
特定福祉用具購入では、すべての福祉用具が対象になるわけではありません。
厚生労働省で定められた特定の品目のみが支給対象となります。
主な対象品目は以下のとおりです。
- 腰掛便座(ポータブルトイレなど)
- 自動排泄処理装置の交換可能部品
- 入浴補助用具(浴槽手すり、入浴用いす、浴槽内いす、入浴台など)
- 浴室内すのこ
- 移動用リフトのつり具部分
これらはいずれも、
衛生面や身体への影響からレンタルに適さないと判断されている福祉用具です。
購入できるのは「指定された販売事業者」からのみ
特定福祉用具は、
都道府県や市区町村の指定を受けた販売事業者から購入する必要があります。
指定を受けていない事業者や、
一般の通販サイト・ホームセンターなどで購入した場合は、
介護保険の支給対象外となるため注意が必要です。
指定販売事業者には、
福祉用具専門相談員が配置されており、
利用者の身体状況に合った用具選びや説明を行うことが求められています。
特定福祉用具購入の申請の流れ
特定福祉用具購入は、次のような流れで行われます。
- ケアマネジャーや福祉用具専門相談員に相談
- 指定販売事業者から福祉用具を購入
- 購入費を一旦全額支払う
- 市区町村へ支給申請を行う
- 後日、支給額が振り込まれる
申請時には、以下のような書類が必要になるのが一般的です。
- 介護保険福祉用具購入費支給申請書
- 領収書(原本)
- 福祉用具のパンフレットや仕様書
- 販売事業者が作成した福祉用具販売計画書
必要書類や申請期限は自治体によって異なるため、
事前に確認しておくと安心です。

同じ福祉用具を何度も購入できる?注意点
特定福祉用具購入では、
同一種目の福祉用具は原則1回限りとされています。
ただし、以下のような場合は、
再度支給対象となるケースもあります。
- 破損や著しい劣化があり、修理が困難な場合
- 身体状況が変化し、別の種類が必要になった場合
- 医師や専門職の意見により必要性が認められた場合
いずれの場合も、
自己判断で購入せず、
事前にケアマネジャーや市区町村へ相談することが重要です。
特定福祉用具購入を利用する際のポイント
特定福祉用具購入を上手に活用するためには、
次の点を意識すると失敗しにくくなります。
- 購入前に必ず専門職へ相談する
- 指定販売事業者から購入する
- 年間限度額(10万円)を意識して計画的に使う
- 申請期限を過ぎないよう注意する
制度を正しく理解し、適切に利用することで、
安全で快適な在宅生活につなげることができます。
まとめ|特定福祉用具購入は早めの相談が大切
特定福祉用具購入は、
レンタルに適さない福祉用具を
介護保険で購入できる重要な制度です。
ただし、対象品目や購入方法、申請手続きには
細かなルールがあります。
「これって対象になるの?」「購入してから申請して大丈夫?」
と迷った場合は、
ケアマネジャーや福祉用具専門相談員に相談しながら進めることで、
安心して制度を活用することができます。





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