- 介護保険で「買ってはいけない福祉用具」はある?
- 福祉用具選びで失敗する人に共通する3つの理由
- 介護保険で購入できる福祉用具でも後悔することはある
- 介護保険で買って後悔しやすい福祉用具7選
- インターネット通販のメリット・デメリット
- 福祉用具専門相談員が購入前に必ず確認していること
- 福祉用具を購入する前に確認したい7つのポイント
- 福祉用具は購入とレンタルのどちらがいい?
- 介護保険で福祉用具を購入するときの注意点
- 福祉用具の購入に関するよくある質問
- まとめ|「買ってはいけない福祉用具」はありません
- 今回ご紹介した「後悔しやすい福祉用具」7選
- 失敗しないために覚えておきたい3つのこと
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介護保険で「買ってはいけない福祉用具」はある?
「介護保険で購入できる福祉用具なら、どれを選んでも同じじゃないの?」と思っていませんか。
実は、介護保険の対象商品であっても、身体状況や住環境に合わない福祉用具を選んでしまうと、『使いにくい』『結局使わなかった』『買い直すことになった』と後悔するケースは少なくありません。
私は福祉用具専門相談員として、多くのご利用者様やご家族から相談を受けてきました。その中で感じるのは、「良い商品」を選ぶことよりも、「その人に合う商品」を選ぶことの方が大切だということです。
例えば、人気のシャワーチェアでも浴室が狭ければ使いにくくなりますし、高機能な介護ベッドでも身体状況に合っていなければ、その機能をほとんど使わないこともあります。
つまり、「買ってはいけない福祉用具」があるのではなく、その人に合わない福祉用具を選んでしまうことが失敗の原因なのです。
この記事では、福祉用具専門相談員の視点から、購入後に後悔しやすい福祉用具と、失敗しない選び方をわかりやすく解説します。
この記事でわかること
- 購入後に後悔しやすい福祉用具7選
- 福祉用具選びで失敗する理由
- 購入前に確認したいポイント
- レンタルと購入の使い分け
結論
介護保険で「買ってはいけない福祉用具」があるわけではありません。
後悔する原因の多くは、身体状況や住環境に合わない商品を選んでしまうことです。
- まずは困りごとを整理する
- できれば実物を試す
- 迷ったら専門職へ相談する
福祉用具選びで失敗する人に共通する3つの理由
福祉用具選びで後悔するケースには、いくつか共通点があります。
ここでは、現場で特によく見かける3つの失敗例をご紹介します。
① 「今だけ」を基準に選んでしまう
介護は身体状況が少しずつ変化していくことが珍しくありません。
「今は歩けるから大丈夫」と考えて購入したものが、数か月後には使いづらくなることもあります。
逆に、「将来のために」と高機能な商品を購入しても、その機能を使わないまま終わるケースもあります。
そのため、現在の状態だけでなく、今後の身体状況も見据えて選ぶことが大切です。
② 価格や口コミだけで決めてしまう
インターネットでは、「売れ筋ランキング」や「口コミ評価」が簡単に確認できます。
もちろん参考にはなりますが、福祉用具は家電のように「人気だから良い」とは限りません。
例えば、口コミ評価の高いシャワーチェアでも、浴室の広さや浴槽の高さが違えば使い勝手は大きく変わります。
利用する人の体格や介助方法によっても、最適な商品は異なります。
③ 住宅環境を確認せずに購入する
福祉用具は、自宅で使用することを前提とした商品です。
そのため、住宅環境との相性は非常に重要です。
例えば、
- 歩行器が廊下を通れない
- ポータブルトイレを置くスペースがない
- 介護ベッドを置くと家具が動かせない
- シャワーチェアが浴室の扉を通らない
このようなケースは、実際の現場でも珍しくありません。
カタログだけでは分からないことが多いため、購入前には設置場所や動線を確認することが重要です。
福祉用具専門相談員からのワンポイント
私がお客様宅へ訪問するときは、商品を見る前に「どこで使うのか」「誰が介助するのか」「普段どのように生活しているのか」を確認します。
福祉用具は単体で選ぶものではなく、その人の生活全体に合わせて選ぶものだからです。
介護保険で購入できる福祉用具でも後悔することはある
介護保険で購入できる福祉用具は、安全性や品質の基準を満たした商品です。
しかし、それは「誰にでも最適」という意味ではありません。
例えば、同じポータブルトイレでも、座面の高さや大きさ、肘掛けの形状などは商品によって大きく異なります。
身体状況や住環境に合わない商品を選ぶと、「使いにくい」「怖くて使えない」「介助しづらい」と感じることもあります。
次の章では、実際によくある「購入後に後悔しやすい福祉用具7選」を、具体例とともにご紹介します。
介護保険で買って後悔しやすい福祉用具7選
ここからは、購入後に「思っていたより使いにくかった」「別の商品を選べばよかった」と後悔しやすい福祉用具を7つ紹介します。
ただし、これから紹介する福祉用具そのものが悪いわけではありません。
利用する人の身体状況や住環境に合っていない商品を選ぶと、失敗につながりやすいという意味です。
① サイズが合わないポータブルトイレ
ポータブルトイレは、寝室やベッドの近くに設置し、トイレまで移動することが難しい人の排泄を支える福祉用具です。
介護保険では、腰掛便座として特定福祉用具販売の対象になる場合があります。
一見すると、どの商品も同じように見えますが、実際には座面の高さや幅、肘掛けの形状、本体の大きさなどに違いがあります。
そのため、価格や見た目だけで選ぶと、購入後に使いづらさを感じることがあります。
座面が低すぎると立ち上がれない
ポータブルトイレを選ぶときに、特に重要なのが座面の高さです。
座面が低すぎると、座ったときに膝や股関節が深く曲がり、立ち上がるときに大きな力が必要になります。
足腰の力が弱っている人の場合、立ち上がれなくなったり、介助者が強く引き上げなければならなくなったりすることがあります。
反対に座面が高すぎると、足の裏が床につかず、座っている姿勢が不安定になる場合があります。
座ったときに足の裏が床につき、膝が無理なく曲がる高さを基準に選ぶことが大切です。
肘掛けの位置で移乗のしやすさが変わる
ベッドからポータブルトイレへ乗り移る場合は、肘掛けの形状も重要です。
肘掛けが固定されている商品では、横から乗り移るときに身体や足が引っかかることがあります。
片麻痺がある人や、ベッドから横移動する人には、肘掛けを跳ね上げたり取り外したりできるタイプが向いていることがあります。
一方で、自分で立ち上がる人にとっては、固定された肘掛けの方が身体を支えやすく、安心して使える場合もあります。
大切なのは、本人がどのように座り、どのように立ち上がるかを確認することです。
本体が大きすぎると寝室が狭くなる
家具調のポータブルトイレは、見た目が自然で安定感もありますが、樹脂製の商品より大きくて重い傾向があります。
寝室に置いたことで、ベッドの周りを歩けなくなったり、介助者が入るスペースがなくなったりすることもあります。
設置場所を決めるときは、本体のサイズだけでなく、次のスペースも確認しましょう。
- 本人が立ち上がるためのスペース
- 介助者が横や後ろに立つスペース
- ベッドから移動するための動線
- バケツを取り出して処理するためのスペース
- 夜間に足をぶつけないための通路幅
カタログに記載されている幅と奥行きだけを見て、「部屋に入るから大丈夫」と判断しないことが大切です。
家具調が必ずしも使いやすいとは限らない
ポータブルトイレには、樹脂製の簡易的なタイプと、木製の椅子のように見える家具調タイプがあります。
家具調タイプは寝室になじみやすく、安定感がある一方で、重量があり、掃除や移動に手間がかかることがあります。
樹脂製は軽くて手入れしやすい反面、商品によっては見た目や安定感が気になることもあります。
「家具調の方が高級だから使いやすい」とは限りません。
本人の使いやすさだけでなく、排泄物を処理する家族の負担や掃除のしやすさも含めて選びましょう。
ポータブルトイレの購入前に確認したいこと
- 本人の身長と座面の高さが合っているか
- 足の裏が床につくか
- 立ち上がるときに肘掛けを使えるか
- ベッドから安全に移乗できるか
- 寝室に十分な設置スペースがあるか
- 家族がバケツを無理なく処理できるか
ポータブルトイレは毎日使う可能性が高い福祉用具です。
数センチの高さや幅の違いが、使いやすさや介助負担に大きく影響します。
可能であれば、購入前に実物へ座り、立ち上がりや移乗の動作を確認することをおすすめします。


② 折りたためないシャワーチェア
シャワーチェアは、浴室内で身体を洗うときや、浴槽へ出入りするときの休憩に使用する福祉用具です。
立ったまま身体を洗うことが難しい人にとって、転倒を防ぐために役立ちます。
しかし、浴室の広さや家族の入浴状況を確認せずに選ぶと、購入後に邪魔になり、使われなくなることがあります。
浴室が狭い家庭では固定式が邪魔になりやすい
シャワーチェアには、使用後に折りたためるタイプと、折りたためない固定式があります。
固定式は構造がシンプルで安定しやすい一方、使わないときも同じ大きさのまま浴室に置いておかなければなりません。
浴室が狭い場合、家族が入浴するときにシャワーチェアが邪魔になり、毎回浴室の外へ運び出すことになります。
その結果、出し入れが面倒になり、本人も使わなくなることがあります。
家族と浴室を共用する場合や、洗い場が狭い場合は、折りたたみ式の方が管理しやすいことがあります。
折りたためれば何でもよいわけではない
折りたたみ式は便利ですが、折りたたむ操作に力が必要な商品や、指を挟みやすい構造の商品もあります。
また、軽量の商品は持ち運びやすい反面、座るときに動きやすいと感じる人もいます。
折りたたみやすさだけでなく、次の点を確認しましょう。
- 片手でも安全に折りたためるか
- 折りたたんだ状態で自立するか
- 浴室内で滑りにくいか
- 本人が座ったときにぐらつかないか
- 家族が持ち運べる重さか
肘掛けが入浴動作を邪魔することもある
肘掛け付きのシャワーチェアは、立ち上がるときに身体を支えやすいというメリットがあります。
しかし、身体を洗うときに肘掛けが邪魔になったり、横から介助しにくくなったりすることがあります。
浴槽の横に置く場合は、肘掛けが浴槽の縁に当たり、希望する位置まで近づけられないこともあります。
立ち上がりの安定を優先するのか、介助や移乗のしやすさを優先するのかによって、適した形状は変わります。
背もたれの有無も身体状況に合わせる
背もたれ付きのシャワーチェアは、座っている姿勢が不安定な人や、入浴中に疲れやすい人に向いています。
一方で、自分で安定して座れる人にとっては、背もたれが身体を洗うときの邪魔になる場合があります。
また、背もたれや肘掛けが付いた商品ほど本体が大きくなるため、狭い浴室では取り回しにくくなります。
機能が多い商品ほど良いのではなく、本人に必要な機能だけを選ぶことが大切です。
座面の高さが浴槽との相性を左右する
シャワーチェアの座面が低すぎると、立ち上がりにくくなります。
高すぎると、足が床につかず不安定になるほか、シャワーの水が浴室外へ飛びやすくなることもあります。
浴槽への移乗に使う場合は、浴槽の縁との高さ関係も確認が必要です。
シャワーチェアの座面と浴槽の縁の高さが大きく違うと、横へ移る動作が難しくなる場合があります。
座面の高さを調整できる商品であっても、脚の長さをすべて同じ位置に設定し、がたつきがないことを確認して使いましょう。
シャワーチェアの購入前に確認したいこと
- 浴室の扉を通るサイズか
- 洗い場に置いても介助スペースが残るか
- 家族が入浴するときに収納できるか
- 本人が安全に座り、立ち上がれるか
- 肘掛けや背もたれが介助の邪魔にならないか
- 浴槽への移乗方法に合っているか
シャワーチェアは浴室内で使用するため、わずかなぐらつきやサイズの違いが転倒につながるおそれがあります。
「人気商品だから」「折りたためるから」という理由だけで決めず、浴室の寸法と本人の入浴動作を確認して選びましょう。
ここまでのポイント
ポータブルトイレとシャワーチェアは、介護保険を利用して購入できる代表的な福祉用具です。
しかし、購入後の交換や返品が難しいこともあるため、実際に使う場所と動作を確認してから選ぶ必要があります。
本人が使えるかだけでなく、家族が毎日無理なく介助・清掃・管理できるかまで考えることが、失敗を防ぐポイントです。
③ 自宅の環境に合わない歩行器
歩行器は、歩行時のふらつきを抑えたり、身体を支えたりするために使用する福祉用具です。
杖よりも広い範囲で身体を支えられるため、足腰の力が弱ってきた人や、歩行中にバランスを崩しやすい人に役立ちます。
しかし、歩行器は種類や大きさが豊富で、身体状況だけを見て選ぶと、自宅では使えないことがあります。
特に多いのが、「本人には合っているが、家の中を通れない」という失敗です。
廊下を通れても方向転換できないことがある
歩行器を選ぶときは、本体の横幅を確認する人が多いでしょう。
しかし、歩行器が廊下をまっすぐ通れるだけでは十分ではありません。
実際の生活では、廊下から居室へ入ったり、トイレの前で方向を変えたり、ベッドの横で向きを変えたりする必要があります。
歩行器本体が通れても、方向転換するスペースがなければ、実用的に使用できないことがあります。
購入前には、次のような場所を確認しましょう。
- 居室やトイレの出入口
- 廊下の曲がり角
- ベッド周辺
- 食卓や椅子の周辺
- 玄関や上がり框
- よく通る場所にある家具との間隔
自宅の中で使う歩行器は、カタログ上の寸法だけでなく、いつもの生活動線を実際に移動できるかを確認することが重要です。
大きな車輪が室内で使いやすいとは限らない
一般的に、車輪が大きい歩行器は屋外の段差や凹凸を越えやすく、安定して進みやすい傾向があります。
一方で、本体も大きくなりやすいため、狭い室内では小回りが利かないことがあります。
反対に、室内用の小型歩行器は小回りが利きやすいものの、屋外の段差や砂利道では使いにくい場合があります。
「室内でも屋外でも1台で使いたい」と考える人は多いですが、住環境や外出先によっては、1台ですべてをカバーするのが難しいこともあります。
主にどこで使用するのかを整理し、使用場所に合った大きさや車輪を選びましょう。
前腕支持型がすべての人に合うわけではない
前腕支持型歩行器は、肘から前腕をパッドへ乗せて身体を支える歩行器です。
手首や握力だけで身体を支えることが難しい人や、前かがみの姿勢で歩く人に向いている場合があります。
ただし、身体を歩行器へ預けすぎると、歩行器だけが先へ進んでしまうことがあります。
また、前腕を乗せる位置やハンドルの高さが合っていないと、肩や腰に負担がかかることもあります。
見た目に安定感があるからといって、自己判断で選ぶのはおすすめできません。
前腕支持型歩行器を検討するときは、できるだけ専門職に歩行姿勢を確認してもらいましょう。
ブレーキを操作できない場合がある
車輪が付いた歩行器の多くには、ハンドブレーキや駐車ブレーキが付いています。
しかし、握力が弱い人や手指に麻痺がある人は、ブレーキレバーを十分に握れないことがあります。
また、認知機能が低下している人の場合、坂道や停止時にブレーキをかけることを忘れてしまう可能性があります。
ブレーキ付きだから安全なのではなく、必要な場面で本人が正しく操作できるかまで確認する必要があります。
操作が難しい場合は、ブレーキの形状や抵抗を調整できる商品、一定の力がかかると自動的に制動する商品などが候補になることもあります。
座面付き歩行器で休憩するときにも注意が必要
屋外用歩行器には、疲れたときに休める座面が付いている商品があります。
便利な機能ですが、歩行器が動く状態で腰かけると、後方へ滑って転倒する危険があります。
座る前には必ず駐車ブレーキをかけ、平らで安定した場所で使用しなければなりません。
また、座面が小さすぎたり低すぎたりすると、立ち上がりが難しくなることがあります。
歩くときの使いやすさだけでなく、休憩時の座りやすさや立ち上がりやすさも確認しましょう。
歩行器を選ぶ前に確認したいこと
- 主に室内と屋外のどちらで使用するか
- 廊下や出入口を通れるか
- 必要な場所で方向転換できるか
- グリップやブレーキを操作できるか
- 本人の歩行姿勢に合っているか
- 段差や傾斜のある場所を通るか
- 車へ積み込む必要があるか
歩行器は、介護保険では原則として福祉用具貸与の対象となる用具です。
そのため、介護保険を利用できる場合は、いきなり購入するのではなく、まずレンタルで使い勝手を確認する方法があります。
身体状況が変化したときや、自宅の環境に合わなかったときに、別の商品へ変更しやすいこともレンタルのメリットです。
介護保険を利用せずに自費で購入する場合でも、可能であれば実際の商品を試してから選びましょう。
④ 持ち運べないほど重い車いす
車いすを選ぶとき、多くの人が最初に確認するのは、本人の座り心地や車いすの機能です。
もちろん、本人の身体に合っていることは最も重要です。
しかし、外出で使用する場合は、介助する家族が持ち運べるかという視点も欠かせません。
安定性や機能性だけを重視して選んだ結果、「重くて車へ載せられない」「家族だけでは玄関の段差を越えられない」と後悔することがあります。
高機能になるほど重くなることがある
車いすには、一般的な標準型のほか、背もたれが倒れるリクライニング式、座面ごと傾くティルト式、姿勢を細かく調整できるモジュール式などがあります。
これらの機能は、座位を保つことが難しい人や、長時間同じ姿勢で過ごす人に役立ちます。
一方で、部品やフレームが増えるため、標準型よりも重量が大きくなる傾向があります。
身体状況に必要な機能であれば重量だけを理由に避けるべきではありませんが、必要のない機能まで付けると、介助者の負担が増えてしまいます。
「高機能だから安心」ではなく、本人に本当に必要な機能を整理することが大切です。
車の荷室に入らないこともある
車いすを車へ積む予定がある場合は、折りたたんだときの寸法を確認しましょう。
車いすは左右を折りたためても、背もたれの高さや車輪の大きさはあまり変わらない商品があります。
特に、リクライニング式やティルト式は、一般的な標準型よりも折りたたみ後のサイズが大きくなることがあります。
車いすの寸法だけでなく、車の荷室の開口部や高さ、積み込む方向まで確認する必要があります。
実際には荷室へ入っても、重くて持ち上げられなければ外出のたびに大きな負担になります。
介助用車いすと自走用車いすの違いを確認する
車いすには、大きな後輪を本人が回して進む「自走用」と、介助者が押して使用することを想定した「介助用」があります。
自走用は本人が操作できる一方、後輪が大きいため本体の幅や重量が増えることがあります。
介助用は比較的コンパクトで軽い商品が多いものの、本人が後輪を直接回して移動することは基本的にできません。
「今は家族が押すから介助用でよい」と考えて購入しても、施設や病院内で本人が少し自走したい場合には不便になることがあります。
反対に、自走する予定がないのに大きな自走用を選ぶと、自宅や外出先で取り回しにくくなる可能性があります。
座面幅が広ければ楽とは限らない
ゆったり座れるように、体格よりも幅の広い車いすを選びたくなることがあります。
しかし、座面が広すぎると身体が左右へ傾きやすくなり、姿勢が崩れる原因になります。
肘掛けまでの距離も遠くなるため、腕で身体を支えにくくなることがあります。
また、車いす全体の横幅が大きくなり、自宅の廊下や出入口を通れない可能性も高くなります。
反対に、座面が狭すぎると、太ももや骨盤周辺が圧迫され、痛みや皮膚トラブルにつながるおそれがあります。
車いすは、本人の体格に合った座面幅と奥行きを選ぶことが重要です。
軽さだけを優先するのも失敗の原因になる
外出が多い家庭では、軽量車いすが便利です。
しかし、軽ければ必ず使いやすいとは限りません。
本人の身体状況によっては、背もたれの張り調整や姿勢保持機能、十分なフレーム剛性が必要になることがあります。
軽さを優先した結果、座っている姿勢が崩れたり、長時間座れなかったりしては意味がありません。
本人の安全性と座り心地を確保したうえで、介助者が扱える重さを選ぶことが基本です。
玄関や屋外の段差も確認する
車いすが自宅の中で使用できても、玄関から外へ出られなければ外出には使えません。
玄関に段差がある場合は、家族が車いすを持ち上げて越えようとすると、転倒や腰痛につながるおそれがあります。
段差の高さや玄関の広さによっては、スロープや段差解消機、住宅改修などを検討する必要があります。
車いす本体だけでなく、家から道路までの動線全体を確認しましょう。
車いすを選ぶ前に確認したいこと
- 本人が自走するのか、家族が介助するのか
- 座面の幅や奥行きが体格に合っているか
- 姿勢を保つために必要な機能は何か
- 介助者が持ち上げられる重さか
- 自宅の出入口や廊下を通れるか
- 玄関から屋外へ安全に出られるか
- 車の荷室へ積み込めるか
車いすも、介護保険では原則として福祉用具貸与の対象です。
身体状況に合うか分からない段階で購入するより、レンタルで試しながら調整する方が適しているケースがあります。
特に、退院直後や身体状況が変わりやすい時期は、数か月後に必要な車いすの種類が変わることもあります。
長期間使用する予定がある場合でも、まずは専門職に相談し、本人の身体状況と介助者の負担の両方を確認しましょう。
ここまでのポイント
歩行器と車いすは、本人の身体状況だけで選ぶと、自宅や外出先で使えないことがあります。
購入前には、商品の大きさや機能だけでなく、廊下・出入口・玄関・車への積み込みまで含めた生活動線を確認することが大切です。
介護保険でレンタルできる場合は、購入を急がず、実際の生活環境で試してから判断しましょう。
⑤ 必要以上に高機能な介護ベッド
介護ベッドは、背上げや高さ調整などの機能によって、起き上がりや立ち上がり、介助をしやすくする福祉用具です。
自宅での介護を支える重要な用具ですが、機能が多いほど使いやすいとは限りません。
必要以上に高機能なベッドを選ぶと、操作が複雑になったり、部屋が狭くなったり、本人にとって必要のない費用がかかったりすることがあります。
介護ベッドを選ぶときは、「何モーターか」ではなく、「どの動作を助けるために使うのか」を整理することが大切です。
モーター数が多ければ良いとは限らない
介護ベッドには、背上げ、高さ調整、脚上げなどの機能があります。
商品によって、1モーター、2モーター、3モーターなど、操作できる機能や組み合わせが異なります。
複数の機能を個別に調整できるベッドは便利ですが、本人が使う機能が背上げだけであれば、すべての機能が必要とは限りません。
反対に、立ち上がりを助けるために高さ調整が必要なのに、背上げ機能だけのベッドを選ぶと、目的を十分に果たせないことがあります。
モーター数だけを比較するのではなく、次のような目的を確認しましょう。
- 自分で起き上がりやすくしたい
- ベッドから立ち上がりやすくしたい
- 介助者のおむつ交換や更衣を楽にしたい
- 食事や呼吸のために上半身を起こしたい
- ベッド上で姿勢を整えたい
必要な動作が明確になれば、過不足のない機能を選びやすくなります。
背上げだけでは身体がずれることがある
背上げ機能を使うと、上半身を起こして食事をしたり、テレビを見たりしやすくなります。
しかし、背中だけを急に上げると、身体が足元側へずれたり、腰や腹部に圧迫感が出たりすることがあります。
本人の身体状況によっては、背上げと脚上げを組み合わせたり、背中と膝の位置を合わせたりする調整が必要です。
操作方法を十分に確認せずに使うと、本人が苦しい姿勢になっていても、家族が気づかないことがあります。
介護ベッドを導入するときは、納品時に操作方法だけでなく、身体がずれにくい起こし方や姿勢の整え方も教えてもらいましょう。
高さ調整の範囲が生活動作に合わないことがある
ベッドの高さは、立ち上がりやすさに大きく影響します。
低すぎるベッドでは、膝や股関節が深く曲がり、立ち上がるために強い力が必要になります。
反対に高すぎると、座ったときに足が床につかず、転落やずり落ちの危険が高まります。
本人がベッドの端に座ったときに、足裏が床につき、安定して立ち上がれる高さへ調整できることが重要です。
また、介助者がおむつ交換や着替えを行う場合は、腰を深く曲げずに介助できる高さまで上げられると、身体的な負担を減らせます。
本人が使う高さと、介助者が使う高さは同じとは限りません。
ベッドを置くと部屋が使いにくくなることもある
介護ベッドは、一般的な家具としてのベッドよりも、周囲に広いスペースが必要になることがあります。
ベッド本体が部屋に入っても、介助者が横に立てなかったり、車いすを近づけられなかったりすると、十分に活用できません。
設置前には、次のスペースを確認しましょう。
- 本人がベッドへ乗り降りする側
- 介助者が身体を支えるスペース
- 車いすや歩行器を近づける場所
- ベッドの高さや背上げを操作する場所
- 掃除やシーツ交換をするための通路
- 緊急時に家族が入れるスペース
家具の配置を変えずに介護ベッドだけを追加すると、部屋の動線が悪くなることがあります。
必要に応じて、タンスや机などを移動し、介護しやすい環境へ整えることも大切です。
サイドレールが多いほど安全とは限らない
介護ベッドの側面には、転落予防や寝返り、起き上がりを支えるためにサイドレールや介助バーを設置できます。
しかし、ベッドの周囲をすべて囲めば安全になるわけではありません。
本人が無理に乗り越えようとしたり、すき間に身体の一部が入り込んだりすると、かえって事故につながる可能性があります。
また、立ち上がる位置に固定式のサイドレールがあると、ベッドから降りる動作を妨げることもあります。
寝返りの支えが必要なのか、立ち上がりのためにつかまる場所が必要なのかによって、適した用具や設置位置は異なります。
サイドレールや介助バーは、本人の動作を確認したうえで必要な場所に設置しましょう。
購入よりレンタルが向いている場合が多い
介護ベッドは、介護保険では原則として福祉用具貸与の対象となる用具です。
身体状況が変化した場合、レンタルであれば、必要に応じてベッドや付属品を見直しやすいというメリットがあります。
退院直後など、今後どの程度回復するか分からない時期に、高額な介護ベッドを購入すると、短期間しか使わない可能性があります。
また、本人の状態が変わり、より低いベッドや別の機能が必要になることもあります。
自費で購入する前に、介護保険の対象になるか、レンタルで試せないかをケアマネジャーや福祉用具専門相談員へ確認しましょう。
介護ベッドを選ぶ前に確認したいこと
- どの動作を助けるために導入するのか
- 背上げや高さ調整など、必要な機能は何か
- 本人がリモコンを操作できるか
- 座ったときに足が床につく高さになるか
- 介助者が無理のない姿勢で介助できるか
- 車いすや歩行器を近づけられるか
- サイドレールや介助バーが動作を妨げないか
介護ベッドは、機能の数や価格だけで選ぶものではありません。
本人の起き上がり、立ち上がり、移乗、介助方法に必要な機能を見極めることが、失敗を防ぐポイントです。
⑥ 身体に合っていない杖
杖は、歩くときの身体を支え、ふらつきや足への負担を軽減する福祉用具です。
ホームセンターやインターネット通販でも購入しやすく、福祉用具の中では比較的手軽に選べる商品です。
その一方で、身体に合わない杖を使用すると、歩きにくくなるだけでなく、肩や腰への負担、転倒につながる可能性があります。
「とりあえず一本あれば安心」と考えず、本人の身体状況や歩き方に合ったものを選ぶ必要があります。
杖の長さが合わないと姿勢が崩れる
杖選びで特に重要なのが長さです。
杖が短すぎると、使用するたびに身体が前や横へ傾き、腰や背中に負担がかかります。
反対に長すぎると、肩が持ち上がり、腕や首が疲れやすくなります。
適切な長さには個人差がありますが、一般的には、自然に立って腕を下ろしたときの手首付近にグリップがくる高さが一つの目安です。
ただし、円背がある人、膝が伸びにくい人、片麻痺がある人などは、単純に身長だけで決められません。
実際に杖をついて歩き、姿勢や腕の曲がり方を確認することが大切です。
身長だけで長さを決めると合わないことがある
インターネット上では、身長から杖の長さを計算する方法が紹介されています。
目安としては参考になりますが、同じ身長でも、腕の長さや姿勢、靴の高さ、膝や腰の状態は人によって違います。
室内では裸足、屋外では靴を履くため、使用する場面によって適切な高さがわずかに変わることもあります。
伸縮式の杖であれば高さを調整できますが、調整穴の位置が本人にぴったり合うとは限りません。
購入時には、普段使用する靴を履き、実際の歩行状態で確認するのがおすすめです。
多点杖が一本杖より安全とは限らない
多点杖は、杖先が三点や四点に分かれており、床に置いたときに自立しやすい杖です。
見た目に安定感があるため、「一本杖より安全そう」と選ばれることがあります。
しかし、多点杖は杖先のすべてが床に接地しなければ、十分な安定性を得られません。
歩く速度が速い人や、杖を斜めにつく人は、一部の杖先だけが床につき、かえって不安定になることがあります。
また、段差や傾斜のある屋外では、複数の杖先が均等につかず、使いにくいことがあります。
多点杖は、ゆっくり歩き、杖へしっかり体重をかける人に向いている場合がありますが、すべての人に安全なわけではありません。
折りたたみ式は便利だが、使用前の確認が必要
折りたたみ式の杖は、旅行や外出時にバッグへ収納しやすく、必要なときだけ使用できる便利な商品です。
しかし、組み立てが不十分なまま体重をかけたり、連結部分が緩んでいたりすると、使用中に不安定になるおそれがあります。
本人が毎回確実に組み立てられるか、家族が状態を確認できるかを考えて選びましょう。
日常的に杖へ強く体重をかける人は、折りたたみ式よりも一本物や伸縮式の方が適している場合があります。
杖先ゴムの摩耗を見落としやすい
杖本体が身体に合っていても、杖先ゴムがすり減ると滑りやすくなります。
毎日使っていると、少しずつ摩耗するため、本人や家族が変化に気づきにくいことがあります。
杖先ゴムの溝が浅くなっている、斜めに削れている、ひび割れがある場合は交換を検討しましょう。
斜めにすり減っている場合は、杖のつき方や長さが合っていない可能性もあります。
消耗品を交換するだけでなく、歩き方や杖の高さも見直すことが大切です。
左右どちらの手で持つかを確認する
足に痛みや筋力低下がある場合、一般的には弱い足と反対側の手で杖を持つことが多いです。
例えば、右足を支えたい場合は、左手で杖を持ち、右足と杖を一緒に前へ出します。
ただし、片麻痺や上肢の痛み、関節の状態などによっては、一般的な方法が適さないこともあります。
持ちやすい側だけで自己判断すると、身体を十分に支えられず、歩行が不安定になる場合があります。
どちらの手で持つか、杖と足をどの順番で出すかについても、専門職へ確認すると安心です。
杖だけでは支えきれない状態もある
杖を使い始めると、「歩けなくなるまで一本杖で頑張りたい」と考える人もいます。
しかし、ふらつきが強い人や、両足の筋力が低下している人は、杖一本だけでは十分に身体を支えられないことがあります。
何度も転びそうになる、家具や壁につかまりながら歩く、杖へ強く寄りかかるといった状態がある場合は、歩行器など別の福祉用具が適している可能性があります。
杖を使うことが目的ではなく、安全に移動できることが目的です。
本人の気持ちを尊重しながら、必要に応じて用具を見直しましょう。
杖を選ぶ前に確認したいこと
- 杖の長さが本人の姿勢に合っているか
- 普段履く靴で歩行を確認したか
- 一本杖と多点杖のどちらが適しているか
- グリップを握り続けられるか
- 左右どちらの手で持つか
- 屋内と屋外のどちらで使うか
- 杖先ゴムが摩耗していないか
- 杖だけで安全に身体を支えられるか
杖は購入しやすい福祉用具ですが、身体に合っていなければ転倒予防の効果を十分に得られません。
初めて使う場合や歩行状態が変化した場合は、理学療法士や福祉用具専門相談員などに歩き方を確認してもらいましょう。
ここまでのポイント
介護ベッドは機能が多ければ良いわけではなく、杖は手軽に購入できれば良いわけではありません。
どちらも、本人がどのような動作で困っているのかを確認し、その動作を安全に支えられるものを選ぶことが重要です。
購入価格や商品スペックを比べる前に、本人の身体状況や生活環境を整理しましょう。

⑦ インターネットだけで選んだ福祉用具
最近では、福祉用具もインターネットで簡単に購入できるようになりました。
価格を比較しやすく、自宅まで届けてもらえるため、とても便利です。
しかし、写真や口コミだけで購入を決めてしまうことは、福祉用具選びで最も後悔しやすいケースの一つです。
実際に私は、「ネットで買ったけれど使えなかった」「結局もう一度買い直した」という相談を何度も受けてきました。
福祉用具は家電とは違い、使う人・介助する人・住環境の3つが揃って初めて使いやすさが決まります。
そのため、価格だけで選ぶと失敗する可能性が高くなります。
口コミが良くても自分に合うとは限らない
ネット通販では、「評価4.8」「レビュー1,000件以上」など、高評価の商品が数多くあります。
もちろん参考にはなりますが、その口コミを書いた人と、あなたやご家族では身体状況が違います。
例えば、
- 身長が違う
- 体重が違う
- 筋力が違う
- 介助者がいる・いない
- 住宅環境が違う
同じ商品でも、使いやすさは大きく変わります。
「口コミが良い商品=自分に最適な商品」ではないことを覚えておきましょう。
サイズを確認せずに購入してしまう
ネット通販で多い失敗が、サイズの確認不足です。
例えば、
- シャワーチェアが浴室の扉を通らない
- 歩行器がトイレへ入らない
- ポータブルトイレを置くスペースがない
- 車いすが玄関を通れない
このようなケースは珍しくありません。
商品サイズだけでなく、設置場所や動線も確認してから購入しましょう。
返品・交換できないことがある
福祉用具は衛生面の理由から、開封後や使用後は返品・交換できない商品もあります。
「一度試してから考えよう」と思っていても、実際には返品できず、そのまま使わなくなるケースもあります。
購入前には返品条件を確認し、不安な場合は実物を試せる販売店や福祉用具事業所へ相談することをおすすめします。
介護保険が利用できることを知らずに購入してしまう
「ネットの方が安いから」という理由だけで購入すると、介護保険が利用できることに後から気づく場合があります。
例えば、介護保険では、対象となる福祉用具はレンタルや特定福祉用具販売として利用できる制度があります。
利用者の身体状況や要介護度によって利用できる内容は異なりますが、制度を活用した方が負担を抑えられるケースも少なくありません。
購入を急ぐ前に、ケアマネジャーや福祉用具専門相談員へ相談すると安心です。
インターネット通販のメリット・デメリット
ここまで読むと、「ネット通販は利用しない方がいいのでは?」と思われるかもしれません。
しかし、インターネット通販にはメリットもあります。
大切なのは、メリットとデメリットを理解したうえで利用することです。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 価格を比較しやすい | 実物を確認できない |
| 24時間注文できる | サイズ感が分かりにくい |
| 自宅まで配送してもらえる | 身体状況に合うか判断しにくい |
| 商品数が豊富 | 相談できる人がいない |
| レビューを参考にできる | 返品できない商品がある |
通販そのものが悪いわけではありません。
消耗品や買い替え商品であれば便利ですが、初めて購入する福祉用具は慎重に選ぶことをおすすめします。
福祉用具専門相談員が購入前に必ず確認していること
福祉用具専門相談員は、「この商品が人気だから」という理由で商品を提案しているわけではありません。
まずは利用者の生活や身体状況を確認し、そのうえで適した福祉用具を選びます。
私も訪問した際は、商品を見る前に生活の様子を確認するようにしています。
具体的には、次のようなことを確認しています。
身体状況
- 歩行状態
- 立ち上がり
- 起き上がり
- 筋力
- 痛みの有無
- バランス能力
住宅環境
- 廊下の幅
- トイレの広さ
- 浴室の大きさ
- 玄関の段差
- 寝室の配置
介助者の負担
- 誰が介助するのか
- 毎日介助するのか
- 持ち上げられる重さか
- 掃除しやすいか
今後の身体状況
退院直後や手術後などは、身体状況が大きく変化することがあります。
現在だけでなく、数か月後も見据えて福祉用具を選ぶことが大切です。
私が現場で一番大切にしていること
福祉用具は「商品を売ること」が目的ではありません。
その人が住み慣れた自宅で安全に生活を続けられることが一番の目的です。
そのため、私は商品の説明よりも先に、「どんな生活を送りたいですか?」というお話を聞くようにしています。
その答えによって、本当に必要な福祉用具は大きく変わるからです。
福祉用具を購入する前に確認したい7つのポイント
福祉用具を購入してから後悔しないためには、商品を比較する前に、本人の身体状況や生活環境を整理することが大切です。
「人気がある」「価格が安い」「機能が多い」という理由だけで選ぶのではなく、次の7つのポイントを確認しましょう。
① 何に困っているのかを明確にする
最初に確認したいのは、福祉用具を使って何を解決したいのかという点です。
例えば、「歩くのが不安」という悩みでも、困っている場面によって必要な福祉用具は異なります。
- 立ち上がるときにふらつく
- 室内を歩くときに壁や家具につかまる
- 屋外を長く歩けない
- 途中で休憩できる場所が必要
- 玄関の段差を越えられない
立ち上がりが問題であれば手すりが役立つかもしれません。
室内歩行が不安であれば歩行器、長距離の移動が難しければ車いすが候補になることもあります。
先に商品を決めるのではなく、どの動作を安全にしたいのかを明確にしましょう。
② 本人の身体状況に合っているか
同じ福祉用具でも、本人の身長や体重、筋力、関節の動きによって使いやすさは変わります。
購入前には、次のような身体状況を確認します。
- 自分で立ち上がれるか
- 座った姿勢を保てるか
- 手でグリップを握れるか
- ブレーキを操作できるか
- 片麻痺や関節の痛みがあるか
- 説明された操作方法を理解できるか
今は使えていても、無理な姿勢や過度な力が必要な福祉用具では、毎日使い続けることが難しくなります。
本人が「使えるか」だけでなく、安全に無理なく使い続けられるかを確認しましょう。
③ 実際に使用する場所へ置けるか
福祉用具の寸法を確認するときは、設置できるかだけでなく、使用するためのスペースも考える必要があります。
例えば、ポータブルトイレをベッドの横へ置けても、本人が立ち上がる場所や、家族が介助する場所がなければ安全に使えません。
シャワーチェアも、浴室に入るだけでは不十分です。身体を洗ったり、介助者が横に立ったりするスペースが必要です。
測っておきたい場所には、次のようなものがあります。
- 設置場所の幅と奥行き
- 廊下や出入口の幅
- 方向転換する場所の広さ
- 家具との間隔
- 本人が立ち上がるスペース
- 介助者が立つスペース
採寸するときは、商品本体の寸法と同じ広さだけを確保するのではなく、人が動くための余裕も残しましょう。
④ 本人が操作できるか
機能が多い福祉用具ほど、操作方法が複雑になることがあります。
例えば、歩行器にブレーキが付いていても、本人が適切な場面で握れなければ十分な安全性は得られません。
介護ベッドのリモコンも、ボタンが多すぎると、本人がどのボタンを押せばよいか分からなくなる場合があります。
購入前には、次の点を確認しましょう。
- グリップやレバーを握れるか
- ボタンの表示を確認できるか
- 操作手順を覚えられるか
- 間違えて操作したときに危険がないか
- 家族が定期的に状態を確認できるか
高機能な商品よりも、本人が迷わず使えるシンプルな商品の方が適していることもあります。
⑤ 介助する家族が扱えるか
福祉用具は、本人だけが使うとは限りません。
車いすを押す、ポータブルトイレを清掃する、シャワーチェアを出し入れするなど、家族が毎日扱うケースもあります。
本人に合っていても、家族にとって重すぎたり、手入れが難しかったりすると、使用を続けることが負担になります。
特に確認したいのは、次の点です。
- 一人で持ち運べる重さか
- 折りたたみや組み立てが簡単か
- 掃除や消毒をしやすいか
- 車への積み込みができるか
- 介助するときに無理な姿勢にならないか
本人の自立を支えながら、家族の介助負担も増やしすぎないものを選ぶことが重要です。
⑥ 身体状況が変わったときに対応できるか
高齢者の身体状況は、病気や入院、転倒などをきっかけに変化することがあります。
退院直後は歩行器が必要でも、リハビリによって杖で歩けるようになるかもしれません。
反対に、今は一本杖で歩けていても、今後はより広く身体を支えられる歩行器が必要になる可能性もあります。
身体状況が変わる可能性が高いときは、購入よりレンタルが向いている場合があります。
購入する場合は、高さや幅を調整できるか、付属品を追加できるかなども確認しましょう。
⑦ 購入後の相談先があるか
福祉用具は、購入して終わりではありません。
使い始めてから、高さの調整が必要になったり、消耗品を交換したりすることがあります。
また、本人の身体状況が変化すると、それまで安全に使えていた福祉用具が合わなくなることもあります。
購入前には、次のようなアフターサポートを確認しましょう。
- 使用方法を説明してもらえるか
- 高さや部品を調整してもらえるか
- 故障時の修理に対応しているか
- 消耗品を購入できるか
- 身体状況が変わったときに相談できるか
価格だけで販売店を選ぶと、購入後に相談できる場所がなくて困る場合があります。
購入前チェックリスト
- 解決したい困りごとが明確になっている
- 本人の身長や身体状況に合っている
- 使用場所と生活動線を採寸している
- 本人が安全に操作できる
- 家族が無理なく介助・管理できる
- 身体状況の変化も考えている
- 購入後に相談できる販売店を選んでいる
福祉用具は購入とレンタルのどちらがいい?
福祉用具を検討するとき、「長く使うなら購入した方が得なのでは?」と考える人もいるでしょう。
しかし、金額だけで購入とレンタルを決めるのはおすすめできません。
購入とレンタルには、それぞれ向いているケースがあります。
| 比較するポイント | 購入 | レンタル |
|---|---|---|
| 所有 | 本人のものになる | 事業者から借りる |
| 身体状況の変化 | 買い替えが必要になることがある | 状態に応じて変更しやすい |
| 点検や修理 | 購入者が販売店へ相談する | 事業者の点検や対応を受けられる |
| 衛生面 | 新品を購入できる | 消毒・整備された商品を利用する |
| 利用期間 | 長期間使用する用具に向く場合がある | 短期間や状態が変わりやすい場合に向く |
| 商品変更 | 原則として買い直しが必要 | 必要性に応じて変更を相談できる |
購入が向いているケース
購入が向いている可能性があるのは、次のようなケースです。
- 衛生面から他の人が使用したものを避けたい
- 本人専用として長期間使う予定がある
- 身体状況が比較的安定している
- 高さやサイズが本人に合うことを確認できている
- 介護保険で購入対象となる福祉用具を利用する
入浴や排泄に使用する福祉用具は、肌に直接触れたり、衛生管理が必要になったりするため、介護保険では購入対象として扱われるものがあります。
ただし、同じ種類に見える商品でも、すべてが介護保険の対象になるとは限りません。
購入前に、対象商品であるかを福祉用具販売事業所へ確認しましょう。
レンタルが向いているケース
レンタルが向いている可能性があるのは、次のようなケースです。
- 退院直後で身体状況が変わる可能性がある
- 使用する期間が分からない
- どの商品が合うか試してみたい
- 定期的な点検や調整を受けたい
- 高額な福祉用具を購入することに不安がある
- 状態に合わせて種類や付属品を変更したい
車いすや介護ベッドなどは、本人の状態が変わると、必要なサイズや機能も変わることがあります。
そのような福祉用具は、最初から購入するよりも、レンタルで使いながら調整する方が適している場合があります。
一部の福祉用具は貸与と販売を選べる
介護保険では、一部の福祉用具について、本人の状態や使用期間などを踏まえ、貸与と販売のどちらを利用するか選べる場合があります。
対象になるのは、次の福祉用具です。
- 固定用スロープ
- 歩行器のうち、脚部が杖先ゴムなどで構成された固定式・交互式歩行器
- 単点杖のうち、松葉杖を除くもの
- 多点杖
車輪やキャスターの付いた歩行車など、似た形状でも選択制の対象にならないものがあります。
購入と貸与のどちらが向いているかは、価格だけでなく、利用期間や身体状況の変化、保守点検の必要性などを含めて検討します。
対象になる場合は、ケアマネジャーや福祉用具専門相談員から説明を受け、本人と家族が納得したうえで選びましょう。
購入した方が安いとは限らない
長期間使用する場合、購入した方が総額を抑えられるように見えることがあります。
しかし、購入後に身体状況が変わり、別の商品へ買い替えることになれば、かえって負担が大きくなる可能性があります。
レンタルには、定期的な点検や不具合への対応、状態に応じた商品変更なども含まれています。
本体価格や毎月の利用料だけを比べるのではなく、次の点まで含めて考えましょう。
- どのくらいの期間使う予定か
- 身体状況が変化する可能性
- 点検や修理にかかる費用
- 買い替えが必要になる可能性
- 処分するときの手間や費用
購入かレンタルか迷ったときの考え方
「長く使いそうだから購入」「短期間だからレンタル」と、利用期間だけで決める必要はありません。
身体状況が安定しているか、商品が合わなくなったときに変更できるか、点検や調整が必要かを含めて判断しましょう。
迷った場合は、介護保険を使えるかどうかも含めて、ケアマネジャーや福祉用具専門相談員へ相談することをおすすめします。
介護保険で福祉用具を購入するときの注意点
介護保険の対象となる福祉用具を購入する場合でも、どこで何を買っても給付を受けられるわけではありません。
介護保険を利用するには、対象となる商品を選び、決められた手続きに沿って購入する必要があります。
「介護用品と書かれていたから対象だと思った」「インターネットで安く買った後に申請しようとした」といった場合、介護保険の給付を受けられないことがあります。
購入前に、次のポイントを確認しておきましょう。
指定を受けた福祉用具販売事業所から購入する
介護保険の特定福祉用具販売を利用する場合は、原則として、都道府県などから指定を受けた福祉用具販売事業所から購入します。
ホームセンターや一般の通販サイトで同じ商品を見つけても、指定を受けていない販売者から購入した場合は、介護保険の給付対象にならない可能性があります。
大切なのは、商品だけが介護保険の対象であることではありません。
対象となる商品を、介護保険上の手続きに対応した事業所から購入することが必要です。
購入前に、販売店へ次のように確認しましょう。
- 介護保険の特定福祉用具販売に対応しているか
- 購入したい商品が給付対象になるか
- 必要な申請書類を準備してもらえるか
- 購入前にケアマネジャーへの相談が必要か
通販で購入するときの注意点
商品名や型番が介護保険の対象商品と同じでも、購入先によっては介護保険を利用できないことがあります。
「介護保険対象」「介護用品」という表示だけで判断せず、購入前に自治体または指定福祉用具販売事業所へ確認しましょう。
支給限度額は同一年度で10万円まで
特定福祉用具購入費には、同一年度で10万円までという支給限度額があります。
ここでいう年度は、一般的に4月1日から翌年3月31日までです。
10万円分の商品が無料になる制度ではなく、利用者の負担割合に応じて、購入費の一部が介護保険から支給されます。
例えば、利用者負担が1割の人が対象商品を10万円分購入した場合、原則として介護保険から支給される上限は9万円となり、1万円は自己負担です。
利用者負担が2割または3割の人は、自己負担額も変わります。
また、10万円を超えた部分は全額自己負担となります。
| 負担割合 | 10万円分購入した場合の自己負担の目安 | 保険給付の目安 |
|---|---|---|
| 1割負担 | 1万円 | 9万円 |
| 2割負担 | 2万円 | 8万円 |
| 3割負担 | 3万円 | 7万円 |
すでに同じ年度内に別の福祉用具を購入している場合は、その金額も合算されます。
複数の商品を購入する予定がある場合は、残っている支給限度額を事前に確認しておきましょう。
支払い方法は自治体によって異なる
介護保険を利用した福祉用具購入費の支払い方法には、主に「償還払い」と「受領委任払い」があります。
償還払い
償還払いでは、購入時にいったん商品代金の全額を販売事業所へ支払います。
その後、必要書類を自治体へ提出し、審査後に介護保険の対象額が払い戻されます。
一時的に全額を準備する必要があるため、高額な商品を購入するときは負担を感じることがあります。
受領委任払い
受領委任払いに対応している場合は、購入時に利用者負担分のみを販売事業所へ支払います。
介護保険から支給される分は、自治体から販売事業所へ直接支払われます。
ただし、すべての自治体や販売事業所が受領委任払いに対応しているとは限りません。
利用できる条件や手続きも自治体によって異なるため、購入前に確認しましょう。
購入後に申請が必要になる
特定福祉用具購入費の支給を受けるには、自治体への申請が必要です。
一般的には、次のような書類が必要になります。
- 福祉用具購入費の支給申請書
- 購入した商品の領収書
- 商品の名称や価格が分かる書類
- 福祉用具が必要な理由を確認できる書類
- 振込先を確認できるもの
必要書類や記載方法は自治体によって異なります。
指定福祉用具販売事業所で購入すれば、事業所が申請方法を案内したり、書類の作成を支援したりしてくれることがあります。
書類を紛失すると申請が進まない可能性があるため、領収書や商品資料は大切に保管しましょう。
同じ種目を再び購入するときは事前確認が必要
「以前購入したものが汚れた」「別の部屋にも置きたい」といった理由で、同じ種類の福祉用具を再び購入したいこともあるでしょう。
しかし、介護保険では、同一種目の福祉用具を繰り返し購入しても、必ず給付対象になるとは限りません。
一般的には、次のような事情がある場合に、再購入が認められる可能性があります。
- 通常の使用によって破損し、使用できなくなった
- 本人の身体状況が大きく変化した
- 以前の商品では安全に使用できなくなった
- 自治体が再購入を必要と認めた
単なる予備として購入する場合や、色・デザインを変えたいという理由では、給付対象にならないことがあります。
同じ種目の商品を購入するときは、先に自治体や福祉用具専門相談員へ相談しましょう。
要介護認定の申請中は購入を急がない
病院からの退院が決まり、急いでシャワーチェアやポータブルトイレを準備したいことがあります。
しかし、要介護認定の申請中に購入する場合は、申請日や購入日、認定結果によって介護保険の取り扱いが変わる可能性があります。
自己判断で先に購入すると、後から給付を受けられないことも考えられます。
急いで準備する必要がある場合でも、購入前に次の人へ相談しましょう。
- 地域包括支援センター
- 担当のケアマネジャー
- 自治体の介護保険窓口
- 指定福祉用具販売事業所
必要な時期と手続きの順番を確認しておくことで、余計な自己負担を防ぎやすくなります。
介護保険で購入するときの重要ポイント
- 購入前にケアマネジャーや専門相談員へ相談する
- 指定福祉用具販売事業所から購入する
- 商品が介護保険の対象か確認する
- 同一年度の購入額を確認する
- 自治体の支払い方法と申請手続きを確認する
- 領収書や商品資料を保管する
福祉用具の購入に関するよくある質問
介護保険を使わずに福祉用具を購入してもよいですか?
介護保険を使わず、全額自己負担で福祉用具を購入することはできます。
ただし、身体状況に合わない商品を選ぶと、使えずに買い直すことがあります。
自費で購入する場合でも、初めて使う福祉用具や身体を支える用具については、福祉用具専門相談員や理学療法士、作業療法士などへ相談することをおすすめします。
要支援でも福祉用具購入費を利用できますか?
要支援1・要支援2の人も、対象となる福祉用具について介護予防福祉用具購入費を利用できる場合があります。
要介護度だけで判断せず、担当の地域包括支援センターやケアマネジャーへ確認しましょう。
入院中に購入した福祉用具も対象になりますか?
介護保険の福祉用具は、基本的に自宅での生活を支えるための制度です。
退院後に自宅で使用するための商品を入院中に準備することはありますが、購入時期や申請手続きについて確認が必要です。
退院日が決まったら、病院の相談員やケアマネジャー、福祉用具販売事業所と早めに相談しましょう。
ネット通販で買った商品を後から申請できますか?
一般のネット通販で購入した商品は、商品自体が対象品であっても、介護保険の給付を受けられない可能性があります。
介護保険を利用する予定がある場合は、注文する前に、購入先が特定福祉用具販売の指定事業所であるかを確認してください。
購入した福祉用具が合わなかった場合、交換できますか?
交換や返品ができるかは、販売事業所や商品の状態によって異なります。
特に、ポータブルトイレや入浴用品などは衛生用品として扱われ、開封後や使用後の返品が難しい場合があります。
そのため、購入前に実物を確認し、座面の高さやサイズ、動作との相性を確かめることが重要です。
家族が代わりに福祉用具を選んでもよいですか?
家族が情報を集めたり、相談したりすることは問題ありません。
ただし、実際に使う本人の身体状況や希望を確認せず、家族だけで商品を決めると、使用を拒否されたり、身体に合わなかったりすることがあります。
可能であれば本人にも商品を試してもらい、使い方や設置場所を一緒に確認しましょう。
福祉用具専門相談員への相談には費用がかかりますか?
介護保険の福祉用具貸与・販売を取り扱う事業所では、商品選定や使い方について相談できます。
相談方法や対応範囲は事業所によって異なるため、訪問や商品のお試しを希望する場合は、事前に確認すると安心です。
迷ったまま購入しないことが大切
福祉用具は、購入を急いだ結果、使えない商品を選んでしまうことがあります。
数日早く準備することよりも、本人の身体状況や自宅の環境に合うものを選ぶ方が重要です。
分からないことがあるときは、注文する前にケアマネジャーや福祉用具専門相談員へ相談しましょう。
まとめ|「買ってはいけない福祉用具」はありません
この記事では、介護保険で購入すると後悔しやすい福祉用具と、その理由について解説しました。
タイトルでは「買ってはいけない福祉用具」とお伝えしましたが、実際には「買ってはいけない福祉用具」があるわけではありません。
本当に注意しなければならないのは、その人の身体状況や生活環境に合っていない福祉用具を選んでしまうことです。
同じ商品でも、ある人には使いやすくても、別の人には危険になることがあります。
価格や口コミだけで判断せず、「本人が安全に生活できるか」という視点で選ぶことが何より大切です。
今回ご紹介した「後悔しやすい福祉用具」7選
| 福祉用具 | 後悔しやすい理由 |
|---|---|
| ポータブルトイレ | 高さ・サイズ・設置場所が合わない |
| シャワーチェア | 浴室の広さや介助方法に合わない |
| 歩行器 | 住宅環境や歩行能力に合わない |
| 車いす | 体格や介助方法、持ち運びを考えていない |
| 介護ベッド | 必要以上の機能や設置スペースの問題 |
| 杖 | 長さや種類、使い方が合っていない |
| ネット通販だけで選んだ福祉用具 | 実物確認や専門家への相談がない |
どの福祉用具にも共通しているのは、商品そのものではなく「選び方」に原因があるということです。
失敗しないために覚えておきたい3つのこと
① 商品よりも「困りごと」から考える
「歩行器が欲しい」「介護ベッドを買いたい」と商品から考えるのではなく、
- 立ち上がれない
- 歩くとふらつく
- トイレが間に合わない
- お風呂へ入りづらい
このように、何に困っているのかを整理することが第一歩です。
困りごとが分かれば、本当に必要な福祉用具が見えてきます。
② 実際に試してから決める
カタログやインターネットだけでは、本当の使いやすさは分かりません。
可能であれば、自宅で試したり、展示品に座ったり、実際の生活環境で確認したりしてから購入しましょう。
特に身体を支える福祉用具は、数センチの違いが使いやすさを大きく左右します。
③ 一人で判断しない
福祉用具は、一度購入すると長く使うものも少なくありません。
迷ったときは、一人や家族だけで判断せず、専門職へ相談することをおすすめします。
相談先としては、次のような人がいます。
- ケアマネジャー
- 福祉用具専門相談員
- 理学療法士(PT)
- 作業療法士(OT)
- 地域包括支援センター
第三者の視点が入ることで、自分たちでは気づかなかった課題や、より適した福祉用具が見つかることもあります。
現場で感じること
私は福祉用具専門相談員として、多くのご利用者様のお宅を訪問してきました。
その中で強く感じるのは、「もっと早く相談していれば良かった」という声は多くても、「もっと早く買えば良かった」という声は意外と少ないということです。
福祉用具は、急いで購入することよりも、本人に合ったものを選ぶことの方がはるかに重要です。
数日相談する時間を取ることで、その後何年も快適に生活できることがあります。
焦らず、一つひとつ確認しながら選んでいきましょう。
関連記事
福祉用具選びで失敗したくない方は、こちらの記事も参考にしてください。
- ポータブルトイレの選び方|失敗しないポイントを解説
- シャワーチェアの選び方|高さ・形状・種類の違い
- 歩行器の種類と選び方|固定型・交互型・四輪歩行器の違い
- 車いすの選び方|サイズ・座幅・介助用と自走用の違い
- 介護ベッドはいつから必要?レンタルと購入の違いも解説
- 杖の選び方|長さ・種類・正しい使い方
- 福祉用具はレンタルと購入どちらがおすすめ?
「どの福祉用具を選べばいいか分からない」「介護保険が利用できるか知りたい」という場合は、ケアマネジャーや福祉用具専門相談員へ早めに相談しましょう。
本人の身体状況や住環境に合った福祉用具を選ぶことが、転倒予防だけでなく、自宅で安心して暮らし続けることにつながります。


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